04. 愛しさと切なさと。

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 出社前、隼人からアプリにメッセージが届いた。  次のイベントの打ち合わせに直行するとのことで、琴莉は心の底から安堵する。  昨日はEAST JAPAN Collectionで休日出勤したため、代休を貰っていたのだが、一日中落ち着かなかった。 「あれは何っ!?」  お礼? 挨拶? 外国人でもあるまいし、キスで挨拶などどうかと思う。それに、そもそも外国人でも挨拶で唇にキスなどしないだろう。  いくら考えてもこれだという答えが見つからない。そして、明日会社で隼人と会って、どんな顔をすればいいのだろうか。  おそらく、隼人の方はいつもと変わらない。それは簡単に予想できた。それに乗じてスルーしようか。  そして、琴莉に思い切り仕事をさせる、隼人はそう言った。それが何を意味するのかも気になって仕方ない。
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