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全てをなかったことにして、琴莉は隼人と向き合っている。
それはある意味、琴莉だけが隼人に背を向ける行為なのかもしれないが、それでも失いたくなかった。
自分がこれほど誰かに執着することなど、自分でも信じられない。
不安の種を抱えていることは苦しいことでもある。この爆弾がいつ爆発してしまうのか、恐ろしくなることもある。
この恋を失っても全てをハッキリさせたい。全てを嘘で塗り固めてもこの恋を守りたい。
琴莉は異なる二つの感情に振り回され、葛藤する。
もうすっかり板についてしまった偽物の笑顔を盾に、日々戦うしかなかった。
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