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「ご迷惑をおかけしました。……帰ります」
「あ、昨日そのまま寝ちゃったから気持ち悪いでしょ? お風呂使っていいよ」
「いえ! そこまでご迷惑かける訳にはいきませんっ!!」
上司の部屋でお風呂? とんでもない話だ。
一刻も早くここから立ち去りたいという気持ちで、琴莉はブンブンと勢いよく首を横に振る。
「別に迷惑じゃないけど……まぁ、お風呂くらい落ち着いてゆっくり入りたいか。じゃ、せめてメイクくらいはして帰った方がいいよ」
「へ?」
そのまま寝たというなら、メイクは当然したままでは?
琴莉がきょとんとしていると、隼人は呆れたように肩を竦め、琴莉の頬に触れた。
「メイクしたまま寝たら、肌によくないしね。悪いけどそこは譲れないから、勝手に落とさせてもらった」
「えええええっっ!?」
ということは、自分は今スッピンなのか!?
琴莉はヨロヨロと膝をつく。次から次へと衝撃的事実が明かされ、頭がついていかない。
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