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目覚めた時、布団の中が妙に暖かく感じた。
これはもしや、小学生の時以来の・・・・いや、小学生の時だって、おもらしなどしたことはないはずだ。
じゃ、なんなんだ?
その時、すぐそばからすやすやとした寝息が聞こえてきた。
何だかものすごくいい匂いがする。
薄明りの中で、黒く波打つ髪が見えた。
「ん?」
僕は激しく痛む頭で、昨夜のことを考えた。
仲間たちと飲みに行ったのは確かだ。だけど途中からの記憶がない。
長い髪を見せていた女が寝返りを打ち、目を開けた。
「誰?」
僕の問いかけに、女は眉を曇らせて、毛布で顔を隠した。だが一瞬見せた表情はとても美しかった。
「昨日自己紹介したじゃない」
毛布の中から女が言った。
昨日、昨日。二日酔いのガンガンする頭でもう一度考えてみる。
二次会か三次会で、隣の席にいた女子会のグループと盛り上がったのは覚えている。ただそれ以降は・・・・
どうやって部屋まで帰ってきたのか、それにこの部屋に帰ってきてから何をしたのか、まったく思い出せなかった。
「覚えてないの?」
女が毛布から半分顔を出して、つぶらな瞳で僕を見た。
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