時代が親切心を殺す

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「今日ね、変なおばあちゃんにキャラメル貰ったの。もちろん食べてないよ。怖くて食べられるわけないじゃん。捨てたよ。そんなもの。何考えてるんだろうね……あのおばあちゃん」  サイコパスは、どうしてか悲しくなった。  おばあちゃんの親切心がゴミとなるからなのか。  親切心が、時代とともに邪魔な存在へと変わることを目の当たりにしてしまったからなのか。  笑顔だったおばあちゃんを想うと、胸が苦しくなった。  他人を疑わないと生きていけない時代に変わり果ててしまった悲しさが、心の奥底に姿を現した。
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