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結局、桜田には本当のことを言えないまま、堀越は帰宅した。
クリスマスイブは明日である。
明日はいつもどおりバイトがあるけれど、明後日は休みを取った。
そう告げたとき、遊佐はそんな些細なことをとても喜んでくれた。
「最高のクリスマスプレゼントだな」
そう言って、堀越の大好きな、いつものあの優しい完璧な笑顔を更にグレードアップした、本当に本当に嬉しそうな笑顔を見せてくれたのだ。
だが。
せっかくのクリスマス、まさかそれがプレゼントで終わりにするわけにはいかない。
そう思って、ずっと悩んでいるのだが。
今に至るまで、プレゼントは何も用意できていない…。
「そもそも遊佐さんは何でも持ってるしなー」
それも、堀越のバイト代で買えるような安物なんて、何一つ身につけていない。
「うーん……」
安易に手料理とか?
でも、イブの夜はバイトの後会う予定だし、深夜なので、そこから腕を奮って豪華なディナーなんて時間ではない。
じゃあクリスマス当日に作るか…だが。
恐らく寝かせては貰えないだろう夜の翌朝、堀越にそんな体力が残っているか、考えるまでもない。
というか、遊佐のあの嬉しそうな顔からして、下手すると朝まで……
自分で考えておきながら、堀越は慌てて頭の上で両手を振り回した。
そもそも遊佐はかなり器用なヒトで、バイトが終わる時間には通常の飲食店は閉まってしまっている堀越のために、よく自宅で簡単な夜食を作ってふるまってくれるのだが、それがまるで普通にお店で出てくるレベルのものなのだ。
普段からマメに自炊はしているものの、不器用な男の料理しかできない堀越の手料理を食べさせるのは気が引ける。
そうすると、やっぱりもう。
「プレゼントは、ワ・タ・シ」的なことしか残っていないのだろうか。

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