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「見て見て、尚」
玄関でサンダルも脱がないまま、華はコンビニエンスストアのビニール袋から平たい箱を取り出した。
俺はシャワーを浴びたばかりで、ハーフパンツに上は裸、頭にはバスタオルというだらしない格好をしていた。
「何?」
華は俺よりも頭ふたつ分小さい。
半年前、俺の方から強引に押し切って付き合い始めた彼女は、ひとつ年上のくせに子供っぽくて、すぐ泣くしすぐ甘える。
でもそんなところが愛しいと思う。
華は勿体ぶって「ふふふ」と得意気に笑い、ようやくサンダルを脱いだ。
夏だから仕方ないけど、ショートパンツに素足というのは少し気に食わない。
華は狭いキッチンを抜け、「足の踏み場がなぁい」と楽しそうに言いながら、グレーのシングルベッドにすとんと座った。
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