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第一章 K318星
ここは、K318星。
天の川星雲にある地球に、よく似た星だ。
地上には、太陽の光がサンサンと降り注ぎ、豊かな自然に満ち溢れていた。
この地には、多様な生物たちを従える三つの種族が暮らしていた。
それは、ハダカデバネズミ族、犬族、そしてひと族だった。
ハダカデバネズミ族には、立派な王様がいた。
しかし、都市伝説によると、この王様は魔物の詐欺集団にそそのかされて、とんでもな
い失態をしたそうだ。
失態の内容は定かではないが、王様が酷く落ち込んだ事は確かだった。
この王様の名前を、ハダ=ミセール といった。
魔物の存在はミセール王を苦しめただけではなく、三族の力の均衡も狂わせていた。
ひと族の地に魔物の木が生えてから、ひと族は犬族の地を奪おうと企み始める様になっ
ていた。
K318星の安定を願うミセール王は、魔物に対抗するため、そしてかつての様な失
態を繰り返さない為に『正義の椅子』を同じ種族の魔術職人マーゴに作らせた。
それは、サファイアの石を埋め込まれた銀の椅子だった。
正義の椅子に座る者は、どんなことがあろうとも、魔物に心を奪われることは無いのだ
った。
この正義の椅子に座ってからミセール王は、民が一番望む平和な世界をつくる事を、強
く願うようになった。
その善い心がけにより、ミセール王はつい最近、天から超能力を授けられた。
ミセール王が砂漠の地下にある城で、正義の椅子に座っていると、
「そなたに、『スーパー天地眼』の超能力を授けよう。この力を使うと、遠方の出来事
や将来を見通す事が出来る。K318星の平和に役立てると良い」
天井から金の光が降りてきて、ミセール王を照らした。
ミセール王は早速スーパー天地眼を使って、遥か遠い犬族の地を観察することにした。
ミセール王が目を閉じると、騎士学校から帰宅する犬族の学生達の姿があった・・・
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