4人が本棚に入れています
本棚に追加
いつもの学校の放課後ー
「オラァッ!」
「くたばれー」
よくある河原の草はらで、男子高校生達が喧嘩をしていた。まあ、所謂見た目通り不良少年達である。
白いシャツにグレーのチェックのズボンを着た高校生が3人、相手の学ラン6人と喧嘩真っ只中だった。
…が、グレーのチェックのズボン…「旭南堀高校」の生徒1人は後ろで傍観していた。
まだおわんねーかな…
なんて、面倒そうな顔して喧嘩を見ている。
「あー?6人で歯応えねぇな?」
「それを言うなら手応えでしょ雪弥」
「そうだったか?」
なんてアホな会話をしてる2人を置いて黒髪の長身で顔が整った男がダルそうにやって来た。
「おせぇよ、おつかれ黒木。」
「…つーか、俺いらなかっただろ。」
黒髪の男が仏頂面でそう言った。
「俺は参加しないって言ったら呼んだのアイツらだぜ?」
アゴで指す方向には、未だアホな会話をしている2人。
「だからって俺呼ぶな…めんどくせぇ…」
「帰る」といって黒髪の男、『黒木 晃昶』はそのまま本当に帰ってしまった。
ま、いつものことだからいいんだけど…
「おい、雪弥。累。早く帰りてえんだけど…」
「吏央!累が俺の事馬鹿って言ってくるんだけど!」
「間違ってはない。」
「だよねー。はい、吏央にも言われたんだから諦めろー」
「り、吏央~……」
俺にも馬鹿と言われしょげてるのが、幼馴染みの『東堂 雪弥』。
その隣で童顔をニヤニヤとさせる『伊波 累』。
そして…クールビューティと言われてるらしい俺は『天月 吏央』。女みたいな名前がコンプレックスだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!