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「確かに、中学なんて俺以外にはかなり尖ってたよな。本当誰もが寄せ付けなかったし。」
「…それは雪弥が不良に走って喧嘩ばかりして俺としか仲良くしなかったからだろ。」
「そうだっけ?いや、だって。吏央以外友達とか要らなかったし。」
「言ってろ」
「……お前ら本当にただの幼馴染みだよな?」
累が怪しげに聞いてくるが、なにを心配してるのか。
「当たり前だろ。雪弥はまあ兄弟みたいなもんだな。」
「そうだなぁ…俺も吏央は弟感覚だし。家族みたいな?だからほら、他より優先しちゃう俺の優しさ。」
「あーはいはい、分かった」
適当にあしらう累は、これから彼女とデートだそうで途中で別れた。
俺と雪弥は特にどこか寄るとかないのでそのまま家に帰る。
因みに家はお向かい同士だ。
そう言えば今日は家に誰も居ないんだったか。母さんも父さんも旅行つってたな。息子置いて。
風呂に入ってる時にふと思い出した。
かなり前から黒木にやたら喧嘩をふっかけてくる奴がいて、それが最近俺にまで凄いガン飛ばしてくる男がいる事を。
俺は変わらず見てただけなんだが…喧嘩しながら俺をずっと見てる時があるような…それで次の相手にロックオンされてなければ良いけどな…と思っていたんだった。
ただでさえ喧嘩は面倒なんだ。それが勝手に喧嘩相手に選ばれるなんて余計に面倒な事は御免だ。
……ま、何もなければそれでいい。
ーーーーーー
ー翌日ー
「俺ァ、花芦高校。木部 大地!」
「………………」
げんなりした様子の吏央に打って変わって、目の前の男はとても元気が良く生き生きした様子。そして若干顔が赤らんでいる。
……嫌な事を考えてたら現実になるのか…。最悪すぎる。
昨日、風呂で思い出した事がこうも早く訪れるとは。
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