chapter.11

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ペレレレレレ ペレレレレレ ペレレレレレ なんて耳障りな。 その雑音は、なかなか止まない。 何故だ。 眉を寄せてから、数秒。 それが、家電(いえでん)の呼出音だと気がついた矢代は、猛然と飛び起きた。 井口氏が電話して来ると言っていたのに、ついうっかり眠りこけていた。 慌てて電話を取ろうとする矢代の目の端には、毛布にくるまって床で寝ている森谷湊の姿が見えた。 ヤバい。おい、今何時だ? しかし、今は電話に出るのを優先した。 「はい、矢代ですっ」 予想通り、電話口の相手は「株式会社マトリックスプロモーションの井口」と名乗った。 挨拶もそこそこに、井口氏の話はすぐに本題に入った。
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