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それから周りにある本を手当たり次第に手にとっていった。
レベッカ、エドゥグディー、エメラルドスカイ、ロンバーイエ・・・・・・などなど。
だがどれもこれも日常の、それも愚痴のようなつまらないものがほとんどで、
最後まで読んでもつまらない内容のものが多かった。
たまに文字化けが増えて読みづらくなっているものや、
本のほとんどのページが白紙になっているものもあった。
しかもその本も開くときに必ず何らかの衝撃が全身に走る。
全身が突然痺れたり数秒間呼吸ができなくなったり体の至る所から痛みが来たりした。
一番よくわからないものは開いた瞬間に地面に腹ばいで寝そべっていたというもの。
私は何度も何度も同じようなことを繰り返して本棚に並ぶものを順番に読んでいった。
そして私はとある本を見つけた、
タイトルは『葛藤』と書かれていてその下に書かれていた名は、
(おじい・・・・・・・・・!?)
我が祖父、葛城藤太であった。
私は無意識に本を開いてしまっていた。
すると体が下の方から段々と黒い煙が昇ってくるのがチラリと見える。
けれど熱くはなかった、反対にそれは冷たく感じられた。
煙は私の身体を覆い隠すように広がっていき、頭まですっぽりと覆うと消えた。
…………ああ、やっぱり寿命なのか。
そう感じると頭の奥の方からおじいが私を呼んでいる声と、
こちらに手招きしている仕草が妙にくっきりと浮かんできた。
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