第0章 2節 次に歴史を築こう

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 (…………読んでみるか)  次に気になったのは本棚の存在。  これは前々から気になっていたが見ていないことにしてスルーしていた。  理由は背表紙がどれも統一されていてどういうタイトルか分からない。  しかもそれがびっしりと一切の間隔を空けずに並んでいるのだ、気味が悪い。  手前の本棚の丁度私の目線と同じぐらいのところにある一冊に目が行く。  それを手に取ろうと近づいて背表紙に指を掛けて思いとどまった。  Natureの背表紙はどうなっているのだろう?  指を放し踵を返してNatureを探す。  机のところに戻り、辺りを見渡して落ちている本に視線を向ける。  こちら側は丁度本の腹の部分が見えていて背表紙を確認できなかった。  はぁと溜息をついて近づき本を持ち上げて背表紙を見る。  そこにはしっかりと縦書きでNatureと書かれていた。  まあそりゃ書いてなかったらおかしいよなと思うと同時に違和感が走った。  タイトルがあるから背表紙がある、だれがそんなこと決めた?  近くにある本を手に取り表紙を確認する。  表紙にはCivil Warsと書かれたタイトルと小さく書かれた平林徹という名前があった。  他の本を手に取り同じ作業をする。  アウラスタ、ハンドルコック、バーバーハスキー、ロッケンクッキー………  本にはどれも面白いタイトルが付けられていて興味をそそられた。  そしてその下には当然書作者名が書かれいる。  (……ならなぜ背表紙に何も書かない?)  とりあえず読んでみるか、そう思って今持っているホーエルジャンプというタイトル  の本を開こうとしたその時に体がふわりと浮いて体が思いっきり後ろに飛んだ。  それと同時に数日の間狂っていた女性の断末魔のような金切り声が辺りに響き渡った。  勢いよくぶつかっても後ろの本棚の本はどれもピクリとも動かなかった。  私はぶつかった衝撃でよろつきながらも立ち上がり開かれている本を覗き込んだ。    今日はみっちゃんと図書館に行って勉強をする。明日が試験なのだ、メンドイけど。    でもまあ仕方ないねー、だって学生様っていうご身分なんだしすかうなかうてぇいと  とここで後半の部分の言葉がおかしくなってきた。    それを見て読む気が失せた私は本を畳んで元の場所に戻した。  
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