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「リステ兄様・・・・・・そうですか。それではインテアスさん、彼らを組織の地下牢へ連れて行って頂けますか?出来れば応急処置をして生かしておいて頂きたいのですが」
リンドウは一瞬目を丸くしたが、軽く咳払いをしてすぐに平静を取り戻す。
インテアスは黙って頷くと、先に簡易白魔法で止血の応急処置を施し、影で2人を捕らえた。
「そういえば、質問とは何だ?」
「リステ兄様・・・・・・それは組織で詳しく」
「良いから教えろ。答えをちゃんと話せるよう用意しといてやる」
リステの唐突な申し出にリンドウは首を傾げた。続いてちらりとインテアスに視線を投げる。
「少しなら良い。好きにしろ」
「ありがとうございます。・・・・・・つい先程、『復讐』と僕が申し上げたのを覚えていますか?」
「ああ、覚えている」
「━━ダリア姉様は今どうなさっていますか?」
その瞬間、リステがハッと目を見開き硬直した。ユダの口元は何故か下卑た笑みで歪んでいる。
「え、なんですか。僕おかしいこと言いました?だって、ダリア姉様も兄様たちと一緒に虐めてましたよね?それに、ダリア姉様に確認したいことがあるんですよ」
「そうか、なるほど・・・・・・連れて行け」
「な━━━━━!?」
インテアスは驚く素振りも見せず、淡々と魔法を発動した。2人の体が影の中に沈んでいく。
「まっ、待ってください!リステ兄様、どうしたんですか!?ダリア姉様のことで何かあったのですか!?」
「ダリアはな、もう別の家で暮らしてるんだよ」
「ユダ兄様!?それは一体━━━」
「結婚したんだよ」
影に沈みきる前、ユダが答えた信じられない話に、リンドウは全身から力が抜けていった━━。
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