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「なあリンドウ、お楽しみの所悪いんだけど、そういうの組織でやってくれない?多分色んな所行って貧民街の奴ら守らないと、皆殺しにされると困るらしいし」
「カラシナ先輩!すみません、つい・・・・・・」
「━━いや、その必要はない。本部に対する同盟組織の襲撃は落ち着いた。組織の人間は皆"残党狩り"に出ているが、貧民街自体そこまで広くない故そちらもすぐに落ち着く」
「え、インテアスさん何でわざわざこっち来てるんですか。通信魔法使えば良くないですか」
「カラシナ、お前が連れ去られる無様な姿をじっくり見物しようと思っただけだ」
「それは残念でしたね。結局捕まりませんでしたよ。お父様が諦めたのかは知りませんが、少なくとも今回は大丈夫でしたね。ちょっとした利益もありましたし」
相変わらずカラシナに表情は無いが、彼のどこか煽るような口調にインテアスは苛立ちを覚える。
いつもと変わらぬ犬猿の仲な2人のやり取りに苦笑しながら、リンドウはふぅと軽く息を吐くと再びユダに向き直った。
「ユダ兄様。一つだけ選択肢を差し上げます」
「なん、だ・・・・・・?」
「ここで2人仲良く死ぬか、組織でたくさん拷問を受けた挙句死ぬか。どちらが良いですか?あ、僕聞きたいことあるのでどの道早々に死なれては困りますが」
「ききたい、こと・・・・・・?」
「はい、でもまずは僕の今の質問に答えてください」
インテアスとカラシナはいつの間にか口論をやめてリンドウたちに注目している。
カラシナは冷たい瞳のままゴクリと唾を飲み込んだ。
このまま何も言わずに死なれては困る。そんなリンドウの心配は杞憂に終わった。
「・・・・・・お前の、好きに、しろ。質問も・・・・・・なんでも答えてやる」
カラシナの質問に息を切らしながら答えたのはリステだった。
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