第31章 帰らない家出少年たち

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「リステ兄様・・・・・・そうですか。それではインテアスさん、彼らを組織の地下牢へ連れて行って頂けますか?出来れば応急処置をして生かしておいて頂きたいのですが」  リンドウは一瞬目を丸くしたが、軽く咳払いをしてすぐに平静を取り戻す。  インテアスは黙って頷くと、先に簡易白魔法で止血の応急処置を施し、影で2人を捕らえた。 「そういえば、質問とは何だ?」 「リステ兄様・・・・・・それは組織で詳しく」 「良いから教えろ。答えをちゃんと話せるよう用意しといてやる」  リステの唐突な申し出にリンドウは首を傾げた。続いてちらりとインテアスに視線を投げる。 「少しなら良い。好きにしろ」 「ありがとうございます。・・・・・・つい先程、『復讐』と僕が申し上げたのを覚えていますか?」 「ああ、覚えている」 「━━ダリア姉様は今どうなさっていますか?」  その瞬間、リステがハッと目を見開き硬直した。ユダの口元は何故か下卑た笑みで歪んでいる。 「え、なんですか。僕おかしいこと言いました?だって、ダリア姉様も兄様たちと一緒に虐めてましたよね?それに、ダリア姉様に確認したいことがあるんですよ」 「そうか、なるほど・・・・・・連れて行け」 「な━━━━━!?」  インテアスは驚く素振りも見せず、淡々と魔法を発動した。2人の体が影の中に沈んでいく。 「まっ、待ってください!リステ兄様、どうしたんですか!?ダリア姉様のことで何かあったのですか!?」 「ダリアはな、もう別の家で暮らしてるんだよ」 「ユダ兄様!?それは一体━━━」 「結婚したんだよ」  影に沈みきる前、ユダが答えた信じられない話に、リンドウは全身から力が抜けていった━━。
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