[第一章]七月九日 地縛霊?

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「ったく、あいつら恥ずかしがり屋さんだからな、隅っこに隠れて出てこないや」 「か、隠れてるの? へぇー、残念……」 「残念? じゃ、あいつらにアンタが会いたがってるってこと伝えておくから」 「えっ、いやいやいいです……っ!」 「遠慮すんなよ。友達が増えるチャンスじゃん」 「そ、そうだけど……、地縛霊はちょっと…………」  ボソッと言う私に、背筋が凍るような殺気をじわじわと感じる。  ま・さ・か……! 「ぬぁ~にぃ~! さっきから聞いてりゃ、“地縛霊、地縛霊”ってアンタ一体何様のつもり? アンタだってな、この世に未練がありゃー、地縛霊になる可能性大っ!」  ひぇーっ!  コ、コワ……。  これぞ、地縛霊オーラ……。  えっ? 「わ、私もっ!?」  口をあんぐりと開けて、彼を見たそのときだった。  ────ドク……ン、……ド……ク…………ン。 ***
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