39人が本棚に入れています
本棚に追加
「……きゃあああっ!」
まわりからの悲鳴とともに、たくさんの人がどっと車道に飛び出す。
見ているだけしかできない私。
「……私は……ここにいる……のに────……」
自分はここにいるんだと、どんなに訴えても、聞こえも見えもしない。
私の体をすり抜け、みんな倒れているもうひとりの私のもとへ駆け寄る。
「ああ、かわいそうに……」
「まだ若いのに……」
私を憐れむ人たちの声が耳に入る。
……私、
本当に死んじゃったんだ…………。
最初のコメントを投稿しよう!