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[第一章]七月九日 ママの再婚話
「初樹、こっちよ!」
七月九日、木曜日。
今日は私の誕生日でも、ママの誕生日でもない。
なにかの記念日や、特別な日でもない。
なにかをして祝ってもらえるようなことをした覚えもない。
なのに、今日はいったい────。
今、私の目に映っているのは、きれいに着飾った大人達と、今までに見たこともないような豪華なシャンデリア。
ここは駅前の大通りから一本横に入ったところにある、こぢんまりとしたレストラン。
三日前、ママから木曜の夜に外で食事をしないかと誘われたのだった。
まさか、こんなゴージャスなところとは!
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