追憶

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女性の声で受話器越しに答えた相手は、西原祐子と名乗っていた。 オーディションの主催者は大松事務所と言い、都内にある芸能プロダクションであり、タレントのマネージメントの傍ら映画の企画・制作も手掛けているらしい。 僕がオーディションについて尋ねてみると、西原は、その日の18時丁度に東京都三鷹市にある暁スタジオに来る様に、僕にそう告げた。 僕は、西原に詳しく場所を確認し、丁重に挨拶をし、通話を終えた。僕はふと時計を確認すると、時間は16時を少し過ぎていた。 ………それが、僕の生涯を描く人生の始まりであろうとする瞬間だった。
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