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園田「では、あとは任せましたよ」
と、押し付けて自分のパソコンで仕事を始めた(あるいは、そのふりを始めた)。
対峙する朋子と静雄。
朋子「(意を決したように切り口上で)先日お願いした件ですけれど」
静雄「息子さんだけ掃除をさせない、という件ですか」
朋子「考えていただけましたか」
園田、机に向かいながら、聞き耳をたてている。
静雄もそれに気づいている。
静雄「アトピーなんですか」
朋子「わかりません」
静雄「それでは、特別扱いは無理です」
朋子「あの子は、医者が嫌いなんです」
静雄「だけど、実際に掃除していて異常が見られるとは思われませんが」
朋子「ずうっと見ているんですか。うちの子のことを」
静雄「それは無理です」
朋子「だったら、なんでいじめられていないって言い切れるんですか」
静雄「え?(話がいきなり飛躍したので当惑する)」
朋子「うちの子はいじめられていないって、断言していたでしょう」
静雄「そんなことは、言っていません」
朋子「だったら、わからないわけでしょう」
静雄「ええ、まあ」
朋子「だったら、掃除はさせないで下さい」
静雄「それは、他の子と不平等になります」
朋子「条件が違う子を同じに扱うのは、悪平等です」
静雄「どう違うんですか」
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