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朋子「もういいです。校長先生と話させて下さい」
静雄「それは困ります」
朋子「何が困るんです」
静雄「担任は、私ですから」
朋子「何もしてくれないじゃないですか」
じいっと、背中で聞いている園田。
× ×
朋子「だから、校長先生と話させて下さい」
× ×
朋子「なんで校長先生と話させてくれないんですか」
静雄「校長は、今いませんでしたよね」
と、園田の方に助けを求めるように聞く。
園田、答えない。
静雄「いませんでしたよね」
園田「(しぶしぶ)さあ、ちょっとわかりかねますが」
朋子「この学校は、校長の居場所もわからないんですかっ(激昂する)」
園田、またパソコンに向かう。
× ×
朋子「(時計を見て)大変、こんな時間」
と、やっと席を立つ。
朋子「息子を待たせてあるんです。何かあったら、どうしよう」
と、誰に言うでもなくぶつぶつ言って、
朋子「(きちんと静雄の方を見ないで)失礼します」
と、そそくさと出て行く。
園田、やっと大きく息をついて、のびをする。
静雄、ぐったりしている。
園田「大変でしたね」
静雄「大変でした」
園田「まあ、あれはまともな、というか、おとなしい方ですよ。よく我慢しましたね」
静雄「ここで怒るわけにもいきませんから」
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