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静雄「だけど、五つしか押していないじゃないか」
朋子「五つ押しましたけれど」
静雄「どこが。前はここまで(と、カードのスタンプの列の一部を指して)押してあったんだから、六つ押したらここまでになるはずだろうっ」
突然キレて声のオクターブが思わず上がる。
朋子「はあ」
静雄「もう一つ押せよっ」
朋子「でも」
静雄「俺が嘘ついているっていうのかっ」
朋子「いえ、でも」
静雄「ただでさえイライラしているのに、余計なストレスかけるなっ」
大声を聞いて、マネージャーの伊崎が急いで飛んでくる。
伊崎「どうなさいましたか、お客様。何か失礼でも」
朋子「(一転して)かしこまりました」
と、ぽんぽんと二つスタンプを押す。
静雄、それに気づくが、何も言わない。
静雄、出て行く。
朋子「(内心のむかっ腹を抑えている)」
コンビニ
夜食を買う静雄。
青山家
戻ってくる静雄。
同・中
静雄、一人で電子レンジで夜食を温めて食べる。
玄関のドアが開閉する音がする。
振り返ると、妻の理美(45)が帰ってきたところ。
理美「おかえり」
静雄「おかえり」
理美「ただいま」
静雄「ただいま」
理美も、自分の分の夜食を買ってきている。
二人、向かい合って別々の食事を始める。
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