クレーマーvsクレーマー(全)

4/45
前へ
/45ページ
次へ
静雄「だけど、五つしか押していないじゃないか」 朋子「五つ押しましたけれど」 静雄「どこが。前はここまで(と、カードのスタンプの列の一部を指して)押してあったんだから、六つ押したらここまでになるはずだろうっ」 突然キレて声のオクターブが思わず上がる。 朋子「はあ」 静雄「もう一つ押せよっ」 朋子「でも」 静雄「俺が嘘ついているっていうのかっ」 朋子「いえ、でも」 静雄「ただでさえイライラしているのに、余計なストレスかけるなっ」 大声を聞いて、マネージャーの伊崎が急いで飛んでくる。 伊崎「どうなさいましたか、お客様。何か失礼でも」 朋子「(一転して)かしこまりました」 と、ぽんぽんと二つスタンプを押す。 静雄、それに気づくが、何も言わない。 静雄、出て行く。 朋子「(内心のむかっ腹を抑えている)」 コンビニ 夜食を買う静雄。 青山家 戻ってくる静雄。 同・中 静雄、一人で電子レンジで夜食を温めて食べる。 玄関のドアが開閉する音がする。 振り返ると、妻の理美(45)が帰ってきたところ。 理美「おかえり」 静雄「おかえり」 理美「ただいま」 静雄「ただいま」 理美も、自分の分の夜食を買ってきている。 二人、向かい合って別々の食事を始める。     
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加