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ドラッグストア・裏口
私服に着替えた朋子が出てくる。
○ 夜道
コンビニ以外は人の気配もない。
歩く朋子。
赤沢家
明かりがついている。
朋子、入る。
息子の翔太(8)と、その父親の健太(30)二人でゲームをやっている。
朋子「ただいま」
健太「おかえり」
翔太、ゲームの方に気をとられている。
朋子「また帰り早いのね」
健太「夕飯作っておいた」
朋子「翔太、食べた?」
健太「ああ」
朋子「本当に?」
健太「本当だよ」
朋子「ちゃんと野菜食べた?」
健太「ああ」
朋子「産地確かめた?」
健太「ああ」
朋子「…嘘」
健太「嘘じゃない」
朋子「(確信を持って)嘘」
健太「わかったよ。確かに、確かめなかった」
朋子「なんで。頼んでおいたのに」
健太「だって、だいたい今表示しているから、外国産だったらわかるよ」
朋子「違ってたらどうするの」
健太「全部心配してたら、食べるものなくなっちまう」
朋子「全部は無理でも、もう少し心配しなさいよ。時間あるんだから」
健太「忙しい時は、一緒に過ごす時間がないって文句言ってたくせに」
朋子「また仕事探すのにつきあわされるのイヤだからね」
健太「もう探す気はない。家にいて、ソフトを作るか、オンライン取引をするかで稼ぐ」
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