クレーマーvsクレーマー(全)

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と、轟々たる音をたてて掃除を始める。 健太、翔太、それぞれ食事を始める。 ○ 同・外 健太と翔太、出てくる。 一緒に歩いていくが、あまり言葉が出ない。 健太「どうだ、学校は楽しいか」 翔太「うん」 健太「おまえ、携帯持ってるのか」 翔太「(首を横に振る)」 健太「まあ、小学生だものな」 翔太「ともだちはみんな持ってる」 健太「友だちは友だち、おまえはあまえだ」 ぷつりと話の接ぎ穂が途切れ、そのまま黙って歩いていく。 翔太、突然、咳をする。 健太「どうした、風邪か」 翔太「喘息」 健太「何?」 翔太「ママはそう言う」 健太「そうなのか」 翔太「知らない」 学校 ぱっと走り出して、校門に入っていく翔太。 健太「気をつけるんだぞ」 翔太、走っていく。 赤沢家 丹念に掃除している朋子。 学校・校庭 ドッジボールをしている翔太を含む生徒たち。 監督している静雄。 円の中で逃げ回るが、ぶつけられて不満そうに退場する翔太。 自分がぶつける番になると、もちろん思い切り今ぶつけた生徒にぶつける。 周囲も特にこれといった反応は見せない。 教員室 遅くまで残って雑用を片付けている静雄。 赤沢家 電話を前にして、決心してように深呼吸して、受話器をとる朋子。     
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