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天使の日常
………皆様。初めまして。
私の名前は、………『宮野由紀』と申します。
毎日、東京都八王子市内に今でもその跡を遺されてあると言われている………
………………………………『八王子医療刑務所』。
高等学校を卒業してから看護師の資格を取得する為に看護学校へ進学したかったのではありますが、何とも家庭が貧乏でしたものですから、それでいて、奨学金にも頼りたくも無い信念でしたので、当時の流行りのユーキャンで看護士免許を取得させて頂けまして………。
そんなこんなで、今では、こんなワタクシではありますけれども、還暦を過ぎる迄は、真面目に勤務させて頂けましたのですが、………それが、ワタクシにとってみれば、たったひとつの『贖罪』なのかしら?
今を去る事、数十年前からワタクシの人生譚は始まってしまったのかも知れませんね?
………それは、遠い遠い昔話を人間社会で生きる子供達に聞かせる程の過去では御座りません。
ですが、けれども、ワタクシが一度とは言えどもこの骸を抱かれたあの人は、現在のワタクシが知らぬ程の久遠の世界へと旅立たれたのかも知れませんが………。
その頃、この國の世は、昭和から平成へと移り変わろうとしておりました。
人の世を平静を装って、平然と生きる道。
それは、ワタクシの哀しい青春の想い出?
………何故だか、今更ながらにも、空虚感ばかりが募り続けておりますばかりで。
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