俺のヴィーナス

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 学校まで徒歩で三十分の道のりを、二人並んで他愛のない話をしながら歩く。 「ゴウちゃんさ、春休みの間に背、伸びた?」  カオルがうらやましそうに俺を見上げた。 「ああ。三センチくらい伸びたかなあ。おまえは?」 「うーん、ちょっとは伸びたような気がする……」 「そうか。別にいいんじゃね、そんなデカくならなくてもさ」  俺は慰めるでもなくそう言ったが、カオルは不満そうな顔をすると、肩のリュックを重そうに(かつ)ぎ直した。
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