第Ⅲ章 ???side

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____白椿学園高等部棟屋上_ _ _ _。 「暑ッ、なんなのこの暑さ。地球温暖化進みすぎでしょ。」 頭上に広がる真っ青な空に雲は1つも浮かんでいる様子はなく、真夏の強い陽射しが僕の肌をジリジリと焼いていく。 その余りの暑さに体が湿り、制服がぺっとり肌にくっつき鬱陶しい。 襟をパタパタとさせるけれど、所詮ほんの気持ち程度の風。微塵も涼しくない……。 「女子はいいよね、スカートだし。男子は一年中スラックスなのに……。スラックスの生地が変わったところで暑いもんは暑いんだよってぇ。」 僕は屋上の柵に寄りかかり、目だけを学校の門をくぐり登校してくる生徒に向ける。 すると視界の隅に映る屋上の向かい側にある生徒会室。 ………あれ、窓開いてる。 「………不用心だな。」 向かい側の生徒会室の窓は開いていて、カーテンが緩やかな風でゆらゆらと窓の外に飛び出している。 「……仕方ないな~、本当。ここの会長ってしっかりしてそうで抜けてるよね。」 はぁッとため息を吐くと、僕は校舎に続く扉を開き階段を降りた。
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