第六話

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信じられないことだった。 男だと思っていた頑丈な体つきの胸元にはしっかりと乳房が存在する。和馬は驚き、引き裂いたワイシャツを適当に胸元には寄せた。 「女…………?」 和馬は瀬谷から依頼を受けた。日向憲男というゼブラの常習者で、転売目的だったという。その日向の始末を頼まれいた。 和馬が姿を現してから、日向憲男は抵抗したが声をあげることはなかった。力の強さ、中年男の匂いが鼻につく。 結局、電気コードの絞殺だったが日向憲男はここに来て女だった。 「はて………どうしたものか」 和馬は一人きり、日向憲男が倉庫にしていたゼブラの隠し場所で佇む。
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