第六話

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和馬はもう少し物色してみようと本棚が陳列された区域に足を踏み入れる。 しかし、確かにそこに人の気配 あるいは視線を感じた。和馬はすぐに止まり、人影が伸びる先に視線を向ける。瀬谷は和馬を気にせず遺体をじっくり見ている。 「和馬?」 瀬谷が振り向くと和馬の姿は闇に消えてなくなっていた。 どこか胸騒ぎを感じた瀬谷は棚の隙間に入っていき、自ら闇のなかへ入っていく。 青白い蛍光灯が部屋をチカチカ照らしている。その光が定まらないことに苛立ちながら、瀬谷は和馬を探す。 奥の棚から物音がしたと思うとガタガタと物が落ちてきた。
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