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なんとかワイヤーを掴めないだろうか。
このまま空中を彷徨っているわけにはいかない。飲まず食わずでは、何れは餓死してしまう。
それに、重力に掴まれば、地上へと墜ちるだろう。
ロープがあれば──。
そうか。
腰からベルトを引き抜いた。
一端を掴んで振り回し、投げ縄の要領で手近なワイヤー目掛けて投げる。
長さが足りず空振りしてしまう。
その反動で体が回転し始めた。
くるくると回り続けて、方向感覚が薄れ、上下も分からなくなった。
意識も朦朧としてきた頃、背後から羽交い締めにされた。
何が起きたのか分からなかった。
誰かに耳元で、動くなと言われたが、そもそも動ける状態ではない。
そのまま上の方に上がっていく。
構造体に向かっているようだ。
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