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どうやらロープを手繰り寄せて移動している。
ゆっくりと構造体が近付いてくる。
放射状に伸びたワイヤーの中心に、丸く口が開いていた。ロープの先はその中に続いている。
そのまま、中へと吸い込まれた。
不意に羽交い締めから解放されると、ふわりと身体が浮き上がる。
身体に力は入らず、脚からも力が抜けていたが、幸いなことに無重力なのでくずおれる心配はない。
私をここまで連れてきた者が背後から離れ、旋回するようにして、ゆっくりと視界に入ってきた。
そこでようやく顔を見ることができた。
見知った顔が、そこにあった。
それは町長のロナルドだった。
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