晴れた地

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「この料理。美味しいわ」  湯築は、これからのことをあまり考えずにしているようだ。あるいは混乱を静めたかったのだろう。黙々と料理に箸を運ぶ。 「ええ。そうね」  対照的に、高取は不安でいっぱいなのだろう。  朱色の間の武はというと。   武は目を覚ましたようである。  夢を見ていたのだ。  悪い夢とまでは、言えないがやはり悪夢に近いのである。    武の夢の中までは、さすがに私も見えないので、あの時のことを話そう。  ここは、日曜日の鳳翼学園の屋上。     轟々と音のする渦潮から龍が昇った。  いや、一体ではない。  四つの龍が昇った。  すでに昇った自衛隊のヘリコプターを噛み砕いた龍は、吹雪の足に噛みついていた。吹雪は気を失ったようである。麻生と卓登は、吹雪を助けるために屋上に留まったようだ。高取は、屋上の入り口の階段付近で、あらかじめ用意しておいた救命具の数を数えていた。  美鈴が悲鳴を上げ、学園内に避難したようだ。  それぞれの龍は新たな獲物を見つけると、嬉々として咆哮を上げた。
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