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「さあ、この槍を持って」
「ととっ、重いわ……」
蓮姫の渡した一際長い槍に、湯築は困った顔をした。まるで体中で持つかのようである。
「足に重点を置くんじゃなくて、腰に置いて、そして呼吸を整える」
蓮姫はもう一本の槍を軽々携えたようだ。この修練の間の壁には、様々な武器が掛けてある。湯築は槍の重さでグラついているようだ。
「知ってる? 私は海神を祀る巫女。あなたは私と一緒に、これから海や川。水の上を歩けるようになるの」
湯築はオーバーに目を回し、
「この槍を持って?」
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