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「御目覚めましたか?」
武は朱色の間の寝床の中。
眠りから覚めた。
どこかから鬼姫の声を聞いた。
「お怪我があるのに、良い気概。きっと……数多の龍に打ち勝つことでしょう。私は掃除があるので。では、行ってきます」
武は天井を見つめていたが、ごそごそと布団の動く音がしたかと思ったのだろう。そして、妙に声が近いとも。
「へ? 鬼姫さん?」
武は驚いているようだ。
それもそのはずである。
武の布団の中に、さっきまで鬼姫が寝ていたのであった。
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