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「鬼姫さん……でも、役得なんていえないよな……一刻も早く麻生に会わなければいけないのにな……」
ここから見ても、武は複雑そうな顔をしているのだ。
心情を察すると、やはり複雑である。麻生のことを想えばどこまでも強くなれるのだが、周りの強い好意も本当の意味での武の支えであろう。
やはり、やむなきことである。
武はそれらをわかっているのだろうか?
鬼姫の温もりのある布団の中で、武はまた天井を見つめていた。
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