90人が本棚に入れています
本棚に追加
/203ページ
「もう掃除も終わりの時間ですね」
一息ついて、鬼姫は武の方へ向かい「お疲れ様でした」と頭を下げている。
「お疲れ様でした!」
武も律儀に頭を下げたが、ここから見ても、あまり疲れていないようだ。武の中で何かが変わりつつある。
武に鬼姫は優しく接してくれている。だが、当然稽古以外はである。
これならば、武の武運次第では、数多の龍を倒していけるだろう。
けれども。
乙姫の説得。
竜宮城の侵略。
様々な恋。思慕。
これらを解決せねばならないのだ。
広い境内を掃除していた巫女たちも、そろそろ掃除道具を片付けだしていた。
最初のコメントを投稿しよう!