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「旦那様にうまい事言って自分たちだけ煌びやかなドレスを仕立ててもらったそうよ。それもすごく高価な…」
「そうそう、見たわそのドレス。キラキラしすぎて目が痛くなっちゃうくらい。
もう何十着と同じようなものをお召になっているけど、よくもまあ飽きないわね。」
「それに…また新しい奥様のアレが入ってきてたわ。」
「えっ!?」
より一層声を潜める2人。
「5人くらいだったかしら…みんな男の子だったわよ。」
「今度は5人も…。ほんと…恐ろしいわ。」
「3ヶ月ほど前に来た子、そういえば最近見ないけど大丈夫かしら…。」
「わからないわね…、旦那様も見て見ぬ振りをしているし…、ほんと恐ろしい。同じ人間だと思えないわ。」
「ねえー。」
「現状、ティオ様はまだ奴隷に興味をもたれていないけど…いずれはあんな貴族風情になってしまうのかしら…」
「「恐ろしいわー」」
「…お喋りはそこら辺にして、早く掃除を済ませた方が良いのでは?」
「っ…ノイン様!も、申し訳ございません!」
「許してください!」
使用人達は慌てふためき、顔を真っ青にすると、ノインに深々と礼をした。
「私は別になんとも思いませんが……。ここはドラセナ家のお屋敷内、あなたがたはお屋敷の使用人。時と場所によって、口に出してもいい事と悪いことの区別くらい、賢明ならば出来るでしょう。
…色々と思うこともあるだろうが…もう少しそのお喋りな口を慎みなさい。命が惜しければね。」
「っ…はい!」
「申し訳ございません!」
再び礼をする2人を横目に、ノインは歩みを進めた。
(ティオ様をあんな奴らと一緒にするな…穢らわしい…)
「ノインー、早くー。」
「はい、只今。」
笑顔で手を振るティオに微笑を浮かべると、早足で向かっていった。
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