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ーー「アイツらを殺さないか?」
提案したのはカトルだった。
この施設でとりわけよく話していたメンバーの中で最も最年長だったカトルは彼らの頭一つ抜けていて、冷静なやつだ。
「はあ?何言ってんだよ。そんなのできっこねぇだろ…できるならとっくの昔に殺ってるっての。」
「ど、どうしたの…突然。」
フェムは胡座をかき、頬杖をつきながらカトルを見上げた。
その横でペートは困惑の表情を浮かべている。
「いやぁね、前々から思ってたんだ。この絶対的な服従施設にも綻びが生まれる日があるんじゃないかってさ。」
カトルはにっこりと微笑むと、近くにあった箱の上に座り、足組みをした。
「そんな日がねぇから今の今までこんなクソみたいな所でクズ同然な扱いされてんじゃねぇか。普通に考えりゃ分かるだろ?」
「まあ…普通に考えたらそう思うよね。僕達にとってここは檻そのもの。アイツらにとっては餌さえ撒けば言うことを聞く都合のいいペット同然さ。このリングがある限り主従関係は切れないし、手も出せない。」
カトルは巻き付いている銀の首輪に軽く触れ、自嘲するように薄ら笑いを浮かべた。
ペートも肩を震わせながら自身の首輪に手を寄せた。
「そうだよね…。これがある限り、ボク達は嫌でも言いなりに…。」
「だよなぁ…、外そうにも外れねぇし…主人が命令すりぁー身体も動かなくなるし…どうにかして無くせねぇもんかなぁー。」
「…それ。」
「あ?」
「…主人の命令を無視して行動できる時があるって言ったら?」
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