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 と言うのも、俺はここに来る前、現実世界で漫画家をしていた。人気でも不人気でもないと言う、微妙なポジションの作家だ。  空想を膨らませるのが仕事の人間だ。もう少し夢のある空間に来たかった、と言うのが正直な意見である。  だが、漫画家としてやっていくか迷っていたこともあり、同時にラッキーだとも思った。  これはきっと、神が与えてくれた余暇なのだ。  日程上、描くこと以外出来なかった俺に、生き方を再考する機会をくれたのだ。  勝手な思い込みかもしれないが、息抜きのようなものだと捉え、少し楽しんでみることにした。
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