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「ようこそ。ファスランダの国へ。
案内は私がします。まずは、王に謁見してください。」
モンバという門番の一人が言った。
「えっけん?って何?」
「謁見とは、王に会うことです。勇者が来たら、王に謁見するのが決まりなのです。」
「へえ~。」
こういうゲームをやったことがなかったので、知らなかった。
僕はとりあえず王に「えっけん」した。
「お前が勇者か?」
「はい、そのようですねぇ。」
「勇者はこの世のすべてを見通すという。異世界人であることはたしかなようだのう。」
「あなたの名前は、カイサルデ・エンペル・オ・ファスランダですね?」
「確かにわが名は確かにカイサルデ・ファスランダだ。わが名を当てるとは。」
「ヒットポイントは・・・」
「それ以上言うな。確かに勇者なようじゃな。」
「王様。僕はどうやったら帰れます?」
いちおう聞いてみた。
「すまんがすぐ帰すことはできん。先ほどお主を喚ぶために魔術師に魔法を使わせたところじゃ。この魔法は複雑で、多くの魔力が必要となる。次に使えるようになるのはだいぶ先かのう。」
魔術師・・・ここは魔法が存在する世界らしい。
「僕を呼んだのはあなたでしたか。」
「さよう。お主を喚んだのはほかでもない。この国に魔物があふれ出してきておるのだ。」
「いつもこんなんじゃないんですか。」
「いつもはこれほどではない。ほかの国も被害は大きいが、この国が一番ひどいのだ。どうか、勇者どの。魔物とそれらを率いる魔王も退治してきてはくれぬか?」
えらそーに、って思ったが、まあ帰れるまでの我慢だ。
「勇者よ。名はなんという?」
「高橋、です。」
名前は、言わなくていいだろう。それに、今までも高橋で通っていたからな。
「タカハシ。か。」
「で、王様。僕はこれからどうすれば?」
「まずは、装備を整え、ゆっくり休むがいい。」
「初めに装備整えたほうがいいですか?」
「よかろう。」
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