ステータス画面表示を見ることができる能力を持つ勇者の話 1

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「ようこそ。ファスランダの国へ。 案内は私がします。まずは、王に謁見してください。」 モンバという門番の一人が言った。 「えっけん?って何?」 「謁見とは、王に会うことです。勇者が来たら、王に謁見するのが決まりなのです。」 「へえ~。」 こういうゲームをやったことがなかったので、知らなかった。 僕はとりあえず王に「えっけん」した。 「お前が勇者か?」 「はい、そのようですねぇ。」 「勇者はこの世のすべてを見通すという。異世界人であることはたしかなようだのう。」 「あなたの名前は、カイサルデ・エンペル・オ・ファスランダですね?」 「確かにわが名は確かにカイサルデ・ファスランダだ。わが名を当てるとは。」 「ヒットポイントは・・・」 「それ以上言うな。確かに勇者なようじゃな。」 「王様。僕はどうやったら帰れます?」 いちおう聞いてみた。 「すまんがすぐ帰すことはできん。先ほどお主を喚ぶために魔術師に魔法を使わせたところじゃ。この魔法は複雑で、多くの魔力が必要となる。次に使えるようになるのはだいぶ先かのう。」 魔術師・・・ここは魔法が存在する世界らしい。 「僕を呼んだのはあなたでしたか。」 「さよう。お主を喚んだのはほかでもない。この国に魔物があふれ出してきておるのだ。」 「いつもこんなんじゃないんですか。」 「いつもはこれほどではない。ほかの国も被害は大きいが、この国が一番ひどいのだ。どうか、勇者どの。魔物とそれらを率いる魔王も退治してきてはくれぬか?」 えらそーに、って思ったが、まあ帰れるまでの我慢だ。 「勇者よ。名はなんという?」 「高橋、です。」 名前は、言わなくていいだろう。それに、今までも高橋で通っていたからな。 「タカハシ。か。」 「で、王様。僕はこれからどうすれば?」 「まずは、装備を整え、ゆっくり休むがいい。」 「初めに装備整えたほうがいいですか?」 「よかろう。」
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