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佐川が、頼もしく見えた。
その瞬間、電車に乗ってくる人達に押されて。佐川に密着したまま、反対側のドアのところまで押し込まれちゃった。
「秋吉、体をこっちに回して」
「えっ、どうして」
「さっきのオッサン、また来るかもしれないだろ」
周りの人に、嫌な顔をされた。だけど、結芽がドアに寄りかかる格好になった時。電車が、静かに走り出した。
もちろん、目の前には佐川の胸がある。
背中に電車のドアで、前に佐川の胸があって挟まれてる状態。でも、苦しくなかった。
佐川が、体重がかからないようにしてくれてる。いつか、大沢先輩の妄想の時にもこんなだったけど。今の方が、守られてる感じが強い。
やっぱり、佐川の事まだ……
――― 再開 ―――
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何だか、妄想と現実がごっちゃになってる。再開って感じだけど、現実のような気がしている。
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