初恋男に妄想

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  「あっ、時間がギリだ」 「えっ、なに……」 「秋吉だって、そうだろ。学校、遅刻にならないか?」 「ああ、本当だぁ」  時計を見てみたら、かなり時間がギリだった。告白の答えなんて、言ってる時間ないよ。でも、今言わなかったら。この恋愛は、駄目になる気がする。 「秋吉、俺今日も部活に出ないから。昨日と同じ時間に、駅のホームにいてよ」  佐川は、そう言うと階段の方に走って行っちゃった。すぐに、追いかけようって走った。 「待ってよ、ちょっと……」  いくら結芽の足でも、陸上部現役の男子に追い付ける筈がない。あっと言う間に、佐川は見えなくなっちゃった。  あいつ、本当に捻挫してるの?  そして結芽も、そのまま学校まで走った。 「何だか、いつもと変わらないな」  そして、学校についちゃった。もしかして、電車を降りるまでが妄想だったかな。つい、そんな気がしてきていた。
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