初恋男に妄想

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   だって現実に、あんなに都合のいい展開がある訳がないじゃん。 「そうそう、あれは妄想だったんだよ」  授業だって普通に終わったし、チャリ通の友達とも普通にバイバイしたし。駅までの道も、何もおきないで普通についた。  改札通って、いつも通り普通にホームに出たら『トンチンカン』がいるんだよね。  もしかして佐川とすれ違ったのも、妄想だったんじゃないのとか思ったりして。 「そうだ、妄想だったって気持ちでホームに行けば。何もなくても、ショックは少ないもんね」  ホームに上がっていくと、男子の三人組の姿が見えてきた。  ホームにいたのは、やっぱり『トンチンカン』だった。まだ、離れているから何を話しているか分からない。だけど、どうせ馬鹿話しをしてるに決まってる。  いつも通りにイヤホンをして、話しが聞こえそうな場所まで行ってみる。  でも、いつもと何かが違っている。
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