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目の前が、真っ暗になる気がした。高校の初彼氏って希望が、あっさりと崩れちゃった。
カン太ですら、そうなの。
「ほら、君っていつもこの時間に電車乗るから。放課後って、暇なのかって思ってさ」
まだ、余計な事をウダウダと言ってる。
コクるんじゃなかったら、カン太たちに用なんて無いって。
「あっ、電車が出る。じゃ、じゃあ、その気になったら俺に言ってよ。この時間に、ここにいるのは分かってるでしょ」
トン吉とチン平が呼んでる、電車にカン太が駆け込んだ。結芽は、ホームに取り残された。
「もう、恋愛なんていらない。妄想もしないで、陸上部に戻って部活を頑張ろうっ」
所詮、恋愛なんて妄想の延長だもん。だったら、めちゃくちゃイケメンで性格がいい男が目の前に現れるまで。陸上部で、走り続けてやる。
『トンチンカン』の乗ってる電車が、段々小さくなっていった。
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