現実男に妄想

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   いつも起きる時間より、十五分は過ぎちゃってる。何で、目覚まし鳴らなかったの。  もしかして、二度寝…… 「いやぁぁぁぁぁ、遅刻じゃない。お母さん、なんで起こしてくれなかったのよぉぉぉぉぉ」 「十回は起こしたわよ」  ドン引きのお母さんは、リビングテーブルのところに座って。朝の情報番組でやってる、十二星座占いを見てる。  洗面所に飛び込んだら、髪はボサボサだし顔に枕の跡がついてるし。無理……こんな顔じゃ、学校に行けないよ。 「ゆ~め~、乙女座は、十二位だってよ~」 「知らないわよ。この状況で運勢が、いいなんて思わないわよ」  何をどうしたかなんて、覚えてないけど。髪をセットして、歯を磨いて顔を洗って準備は進んでる。  お母さんは、リビングから動かない。  一回、部屋に戻って制服に着替えて、カバンを掴んで部屋を飛び出した。 「お母さん、行ってくるね」
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