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そうだ、まだ乗ったばかりだし。時間は、十分にあるから妄想に入れるよね。
絶対に会えない、イケメン俳優なんかより。目の前にいる、生身のイケメン先輩の方がリアルな妄想に入れるかも。
――妄想世界いってきます――
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また、電車が大きく揺れた。また、強く押し付けられちゃうって。身体を固めて、苦しさを我慢する準備した。
あれ……
見たら、目の前の先輩が両手を突っ張って。結芽が、潰されないように守ってくれてる。
「もう、痛い思いはさせないから」
「えっ、あっ、ありがとうございます」
「君は、俺が守るから」
押し潰されたりはしないけど、先輩と身体が密着してる。電車に乗る前に走ったから、めちゃドキドキ。これって本当に、走ったせいでドキドキしてるのかな。
先輩との恋愛が、今日から始まるかもしれない。
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