大人の男に妄想

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   だから、結芽の話しはどこに行っちゃったのよ。聞こえてないって思ってたって、本人を前にして失礼じゃない。  もう、カン太しかいない。  お願い、カン太。結芽を話題に戻して。 「確かに、あの娘は良いよなぁ。俺の中では、一番かもしれない」  おい、カン太。はぁ、カン太にまで見捨てられたよ。  電車が駅に入ってきて、乗り込むとあの子は定位置にいる。窓の外を見ながら、確かに謎めいた雰囲気がしてる。  『トンチンカン』は、自分たちの近くに乗ったお姉さんと、あの子の事を見比べて怪しげな笑い方してる。変質者として、捕まりそうだよね。  てか、結芽は何で『トンチンカン』の事を、こんなに意識してるのよ。元々相手にしてないんだから、気にすることなんて無いじゃない。 <今年の後半、次にブレイクするのはこの若手芸人だ!>  男性週刊誌の中吊り広告には、そんな文字が大きく書かれている。
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