大人の男に妄想

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   今は、結芽が大人じゃないから、九歳の差が大きいけど大人になれば変じゃない。大人になるには、まだまだ時間がかかるけどね。 「あっ、メールだ」  小林さんが、スーツの内ポケットに手を入れて携帯電話を取り出した。そして、メールを確認してる。  もしかして、彼女かな。それとも、奥さん……  二十四歳だったら、結婚しててもおかしくないよね。あっ、左手の薬指に、結婚指輪をして無い……  独身なんだね。  そしたら、メールの相手ってやっぱり彼女なのかな。小林さんは、メールを見ながら表情が変わってった。最初は嫌な顔だったのに、それが嬉しいみたいな顔になってる。  何だろう、彼女からのメールにしてはリアクションが変だな。 「あの、小林さん……」 「ああ、ごめんごめん。会社からのメールだったんだ」  会社からのメールで、あんな表情が変わるなんて。結芽には、その内容が想像も出来ない。
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