大人の男に妄想

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   こんな、あっさりとしたお別れ。 「あっ、携帯の番号もアドレスも交換してない」  結芽の事なんて、何とも思ってない。  所詮は、電車で会った高校の後輩の女の子。たまたま時間が出来たから、学校までの送った。  その程度の事だったんだね。  教室に入ると、いつものみんながいて。いつもと変わらない日常がある。大人の男なんて、どこにもいないよ。 「ねぇ、結芽。さっきの、スーツの格好いい人は誰?」  チャリ通の友達が、どっかで見てたみたいで、教室で絡んできた。 「別に、たまたまだよ。たまたま」  それ以上は、突っ込まれたく無くて、自分の席について寝たフリした。  全部の授業が終わって、教室の窓からグラウンドを見てみる。サッカー部と、陸上部がそれぞれ練習してる。  みんな、活き活きしてるように見える。 「はぁ。いっその事、陸上部に戻ってみようかな……」
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